アメリカの景気回復を後押しして、今年のIT企業の業績は好調を維持するものとみています
2012年2月9日(木)Newsモーニングサテライト
マンハッタン・グローバルフィナンシャル 森崇さん
企業のIT投資は2008年から2009年にかけて一度落ち込みましたが、2011年以降、リーマンショック前の水準を上回っています。この傾向が続けば、シスコシステムズなどIT関連企業に恩恵があるとみています。シスコシステムズは売り上げの6割超を占めるルーターやスイッチ事業が大きく伸びると予想しております。これらはネットワーク間を相互接続する通信機器のことですが、これらの事業の粗利益は向こう1年間で60%から63%のレンジになるという見方も出ています。
特に好調なのがIT製品流通業者です。例えば、コンピュータと関連商品の流通卸売りなどのサービスを提供しているテックデータです。2011年8月から10月の決算では、前年比7%の増収を発表しました。28日発表の11月から1月の決算では4.7%の増収が見込まれています。さらに半導体関連企業にも恩恵があるとみています。パソコンのチップなどを開発している半導体チップ大手、EZチップセミコンダクターの10月から12月の決算で売上高、1427万ドルでした。1370万ドルという予想を上回ったことで、本日株価が上昇しています。アメリカの景気回復を後押しして、今年のIT企業の業績は好調を維持するものとみています。
7日公表された調査によりますと、去年シリコンバレーの雇用者数は4万2000人増加し、およそ120万人となりました。さらにシリコンバレーで働く人の一人当たりの所得額は6万6000ドルと前年と比べ4%増加しています。この背景にはハイテク分野の新興企業が出現したほか、ベンチャーキャピタルによる投資も好調だったということも挙げられます。フェイスブックの上場で、シリコンバレーの雇用市場がますます活気づくことが期待されています。
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