そのプロセスが国家の面子を潰したと、あるいは国家のリーダーの面子が完全に潰れてしまった。それから馬鹿にされたと子供のような反応をした
2012年9月18日(火)クローズアップ現代
「激化する反日デモ~中国とどう向き合うか~」
早稲田大学名誉教授…毛里和子さん
国有化そのものは日本にとっては現状を少しやりやすくするという程度のことだったと思うんですが、中国にとってはおそらく二つのポイントがあったと思います。一つのポイントは国がお金で全部を買い取って、国家が前面に出てきた。つまり尖閣、あるいは釣魚島をめぐる問題というのは国家が介入することによってもはや中国が関与できない最終的な決着を付けたいうふうにたぶん理解したと思います。もうひとつはプロセスに問題があって、APECの時の立ち話で胡錦濤主席が野田総理に対して、どうしても国有化をしないでほしいと、強い反対があるということを言ったにもかかわらず、その二日後に閣議であっと決めてしまったと、そのプロセスが国家の面子を潰したと、あるいは国家のリーダーの面子が完全に潰れてしまった。それから馬鹿にされたと子供のような反応をした。その背景にはプロセスが神経をを逆なでするプロセスだったということがあったと思います。
中国自身は2010年の漁船拿捕の時もそうですけれども、前例と違ったことをしたということに対して、ものすごく反応しましたね。今回も現状を中国にとっては大きく変えたというところで、非常に強烈は反応がきた。これを日本の政治家、外交当局は十分に読み取ることはできなかったというところで、非常に大きなボタンの掛け違いがあったように思います。
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