ドル円についても、様々なモデルが弾きだす結果を見ると、84円から120円まで相当なばらつきがあります。複数のモデルから算出した値を目安として考えるのが主流のような気がします
2013年2月26日(火)Newsモーニングサテライト
東海東京証券アメリカ 津島茜さん
今週末の期限を前に今日から議会の攻防がスタートしました。ただ、議会が休会していた先週から日曜日までにオバマ大統領と共和党の交渉が進展した形跡はありません。期限まで残り4日しかない中で妥協する可能性は低く、発動は現実味を増しています。しかし、市場参加者は強制歳出削減に対して、比較的楽観視している様子も見受けられます。ウォールストリートジャーナルのエコノミスト調査と議会予算局のGDP成長率予想では、エコノミストは強気の見通しで、特に第2四半期については予算局の予想との開きが目立ちます。それは、強制歳出削減となっても、影響はすぐにあらわれず、影響が出るころまでには何らかの妥協が行われるとのエコノミストの見方が背景にあるからです。こうしたことから、もちろん楽観的な意見ばかりではありませんが、強制歳出削減となっても、その影響は限定的ではないかと思います。
先日ウォールストリートジャーナルでは、スターバックスのグランデサイズのラテを使って各国通貨の割高割安を計算していました。これによりますと、国別の経済状況を考慮しないなど問題はありますが、目安には出来そうです。例えば、日本の価格は現在のレートでドル換算した価格だとニューヨークよりも割高。また、このラテによる購買力平価で単純計算してみると、1ドル97円後半が適正ということになります。ただ、現実には一つの商品だけで為替の価値を測りきることはできませんので、経済学者やエコノミストは複数商品のバスケットや経済指標を加味したモデルなどを使用して適正水準を割り出そうとしています。
為替の適正水準について信頼できるモデルは今のところないと考えた方がいいと思います。例えば、IMFも経済指標や経済統計、それに長期間の平均為替レートなどを考慮したモデルを使用していますが、まだまだ改良の必要があると考えているようです。ドル円についても、様々なモデルが弾きだす結果を見ると、84円から120円まで相当なばらつきがあります。複数のモデルから算出した値を目安として考えるのが主流のような気がします。
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