キューバはインフラが50年前からほとんど変わっておらず、英語を話す人も非常に少ないうえ、アメリカ資本の宿泊施設の開業は2018年ごろの予定だということです。キューバは長期的な投資テーマととらえたほうがよさそうです
2016年3月31日(木)Newsモーニングサテライト
三井住友アセットマネジメントNY 三浦仁孝さん
慎重な利上げペースを改めて強調したFRBのイエレン議長の講演内容を受けて一部の証券会社は利上げ見通しを年内2回から1回に変更するなど影響は絶大でした。また、ドル高の悪影響への言及により新興国通貨が買われ、ドルが売られる展開も強く見られ、マーケット全体のリスク許容度が一気に上がったと感じます。
来月中旬から始まる金融機関の決算にはやや不安を感じています。原油安の影響でエネルギー企業向けの融資に関連した引当金が一段と必要となる可能性があります。また、年初からの市場の混乱で市場部門や投資銀行部門の収益にもあまり期待はできません。そうなると現在の楽観的なマーケットに水を差す可能性があると考えています。
クルーズ大手のカーニバルが今日、決算を発表し、調整後の1株利益は前年比およそ2倍となりました。さらに今年の予約件数も好調で、通期の利益見通しを上方修正しました。実はこのカーニバルは先週、5月就航予定のアメリカとキューバを結ぶクルーズラインの運航権を獲得しています。
決算の中でカーニバルの経営陣は5月以降も就航ラインが増える予定だと積極的なコメントをしていました。ただ、アナリストから客数の拡大のスピード感を質問された際の答えはややあいまいでした。
短期的には過度な期待は禁物かもしれません。先日、メキシコで空港関係者に話を聞いたところ、キューバの台頭で競争環境が大きく変わることは2年ぐらいはなく、当面はほかのカリブのリゾート地の魅力が高い状況が続くとみていました。キューバはインフラが50年前からほとんど変わっておらず、英語を話す人も非常に少ないうえ、アメリカ資本の宿泊施設の開業は2018年ごろの予定だということです。キューバは長期的な投資テーマととらえたほうがよさそうです。
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