OPEC内の価格維持の方針が変わり、再びシェアをめぐる議論に戻ってしまうと減産計画への不透明感も燻り、これも下押し圧力になると考えています
2017年5月31日(水)Newsモーニングサテライト
三井住友アセットマネジメントNY 曽根良太さん
ここ最近、アメリカの大手天然ガス生産会社を取材したところ、需要が減る5月に3ドル割れを予想していたが、不自然に値持ちがよいということでした。天然ガス一筋数十年の経営者の間では天然ガス需要の増加トレンドの始まりを期待するトーンが高まっていました。
メキシコ湾岸向けの天然ガス争奪戦の始まりが期待競れます。メキシコ湾岸には日系企業が参画しているLNGプラント以外にも化学工場など今後の天然ガスの強い需要が期待されています。日系企業が係るLNGの製造及び輸出契約は20年程度の長期が多いのですが、生産会社は販売価格を最優先した短期契約のスタンスです。安定的に天然ガスを購入する必要のある日系企業にとっては高値掴みのリスクが日に日に高まっていると感じます。
昨年中旬以降、アメリカの油田掘削リグの稼働数の増加が継続しているほか、最後の仕上げだけを残した掘削済み未完成井戸の数が過去最高水準となっています。この未完成井戸はすでに多くの費用が支払い済みとなっているため、損益分岐点が低く、30ドル台でも利益が出せる井戸が多いとされています。
実は先週、テキサス州でエネルギー会社を20社ほど取材したのですが、シェール業界の対応力の素早さに改めて感心しました。井戸の仕上げを行う作業員の確保に目途がついており、
増産トレンドが再加速する可能性が高いと思います。また、仕上げに必要な砂の供給体制も整い、年後半には砂の価格が急落するとの指摘が出ていました。
石油需要の高まる夏場は50ドルを維持できる可能性はありますが、年後半位は供給過剰が再現し、一時的に40ドル割れを試す展開を見ています。また、年後半にはアメリカの原油生産量がサウジアラビアに追いつく可能性が高くなっています。これをきっかけにOPEC内の価格維持の方針が変わり、再びシェアをめぐる議論に戻ってしまうと減産計画への不透明感も燻り、これも下押し圧力になると考えています。
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