多くの生産会社は現時点では40ドルをしばらく下回ると、生産調整を検討する可能性を示唆していました。40ドル割れの局面では増産ペースが緩やかになるとみています
2017年6月27日(火)Newsモーニングサテライト
三井住友アセットマネジメントNY 曽根良太さん
ダラス連銀の管轄地域は大部分がテキサス州で、エネルギーの開発が盛んな地域となっています。先月後半から原油価格が下落基調であり、ある程度の指数の低下は想定されていました。先月の大幅な上昇の反動もありますが、新規受注や出荷見通しの低下が目立ちます。
アメリカのGDPにテキサス州の占める割合は全米第2位で、約10%と大規模ですので、アメリカの経済の先行きを占う意味でも原油価格の動向は重要だと思っています。ただ、現地を取材する限り、安い原油価格でもある程度利益が出せる体制がすでに構築されており、想定以上に楽観的な印象でした。仮に原油価格が30ドルを割れるといった危機的な状況にならない限り、テキサス州の経済が大きく鈍化することはないと考えています。
先週、シェールオイル生産の中核都市であるテキサス州のミッドランドで関連企業や掘削現場を取材しましたが、40ドルを大きく割れ続けなければ、シェール業界の業況は大きく変わらないとの見方が大半でした。この楽観的なムードの背景にはシェール生産において損益分岐点の低下余地がまだまだあるとの見方も大きいと思います。
足元の損益分岐点は業界平均で30ドル半ばまで低下しましたが、まだ低下の伸びしろがあると自信を示す企業も多くあります。地元の中小企業が多いシェール業界では限りある地下資源から生まれる利益を公平に分配し合うため、生産技術など積極的にシェアしあう文化があります。その文化が技術革新のスピードが損益分岐点を引き下げるドライバーとなっています。
シェールの場合は損益分岐点のほか、収益性も重要になってきます。シェールオイルは生産開始から一定期間経過すると、生産量が急激に落ち込む特徴があるので、一定の利益を出して次の井戸の投資に回し続ける必要があります。多くの生産会社は現時点では40ドルをしばらく下回ると、生産調整を検討する可能性を示唆していました。40ドル割れの局面では増産ペースが緩やかになるとみています。
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