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多くの経営者がオブラドール氏はメインシナリオではないとしながらも、仮にメキシコの大統領となると、あらゆる面で不確実性が増すと考えていました

2017年7月18日(火)Newsモーニングサテライト

三井住友アセットマネジメントNY 三浦仁孝さん

JPモルガンもシティグループもトレーディング収益が会社側の事前説明より減収幅が小さく、株式や社債の引き受け、M&Aの助言などを含む投資銀行関連の手数料収入が市場の想定以上に好調でした。信用コストも低い水準で安定しており、1株利益も市場予想を上回るなど、一見高い評価がなされる内容と思いきや、株価は冴えませんでした。
やはりローンの成長率が鈍化していることに加え、利上げに伴って伸びることが期待されている金利収入の見通しがパッとしないことが嫌気されたと考えられます。例えば、JPモルガンは2017年通期のローン成長率及び純金利収入の見通しを引き下げています。先月の大規模な株主還元の発表など好材料に出尽くし感がある中で、株価がさらに上を目指すには銀行業の屋台骨であるローン成長と純金利収入の再加速が求められていると感じています。

昨年12月にメキシコを訪れた時は対米関係などマクロ面を気にする声ばかりが聞かれたのですが、今回の訪問では企業のみならず投資家も含めてトランプリスクなどの対米リスクについてはすでに過去のことと捉えていました。
NAFTAに関しては多くのメディアが報道してきたような劇的な変化はまったく想定されておらず、生産拠点としてのメキシコの位置づけは不変とのスタンスでした。メキシコの立場を代弁するアメリカ有力企業のトップによるロビー活動が活発なこともあり、現地企業には安心感が広がっているようです。経済の先行きについても基本的には堅調との見通しで、通常のメキシコの成長モードに回帰している印象です。
来年夏に予定されるメキシコ大統領戦が警戒されています。現在、世論調査では左翼政党の党首でポピュリストとして知られるロペス・オブラドール氏が支持率トップを走っています。現地ではメキシコ版トランプともいわれる彼は発言が二転三転するのが常で、NAFTAに関しても交渉の過程でアメリカとの衝突が増え、ニュースに一喜一憂する展開となるでしょう。多くの経営者がオブラドール氏はメインシナリオではないとしながらも、仮にメキシコの大統領となると、あらゆる面で不確実性が増すと考えていました。

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