CEOは将来すべてのたばこ製品をIQOSなどの煙が出ない商品にシフトさせると豪語しており、この市場はまだ始まったばかりと言えそうです
2017年7月21日(金)Newsモーニングサテライト
SMBC日興セキュリティーズアメリカ 尾坂将司さん
まず発表された声明の中で景気見通しが悪化すれば量的緩和の規模と期間を拡大するとの文言が残されたことで、一時ヨーロッパの金利は低下しました。ところが、ドラギ総裁が会見で経済状況の強さに言及したことで、金利は反発しユーロは急伸しました。ただ、ECBの政策決定そのものによるアメリカ株への直接的な影響は限定的だったと言えます。
アメリカの金融政策は9月にバランスシート縮小開始を発表し、次の利上げは12月というのがコンセンサスになっていますが、一部では来週バランスシート縮小を発表、あるいはその用意があることを示唆する可能性のあるとの声もあります。9月は議会で債務上限をめぐる議論が活発化する時期とみられ、実は動きにくいタイミングでもあります。12月に利上げを実施するとすれば、早めにバランスシート縮小をアナウンスしたいという考えがあっても不思議ではありません。
フィリップモリスの決算では従来型の紙巻きたばこの販売の落ち込みや為替の影響により業績見通しを下方修正したことで、株価は軟調に推移しました。ただ、紙巻きたばこの出荷本数は年々減少する一方で、たばこ界のiPhoneともいわれる加熱式たばこ、IQOSの販売は好調で、出荷本数も前年比で5倍以上に増加しました。
IQOSは年末までには世界35か国で販売される予定ですが、現時点で加熱式たばこ出荷本数のうち約90%が日本で、実は海外ではまだまだ浸透していないのが現状です。日本は全国販売を行っていますが、ヨーロッパ各国では数都市ずつの販売にとどまっています。
IQOSを使用した後にIQOS中心に切り替えた人の比率は日本同様に海外でも非常に高く70%前後とみられています。フィリップモリスは加熱式たばこの生産能力を今年は500億本、来年にはその倍の1000億本まで拡大する予定です。さらに、これは先の話になると思いますが、CEOは将来すべてのたばこ製品をIQOSなどの煙が出ない商品にシフトさせると豪語しており、この市場はまだ始まったばかりと言えそうです。
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