ここからウォルマートのeコマース売り上げが急激に成長し、株価も上昇トレンドに入っており、今後も注目したいと考えています
2017年7月13日(木)Newsモーニングサテライト
大和証券CMアメリカ 森本裕貴さん
インフレが鈍化していることへの警戒感が強いと感じられ、利上げに慎重なハト派的な内容だったと思います。また、現在のフェデラルファンド金利がインフレ調整後の金利である自然利子率を幾分下回っていることが今後の緩やかな利上げの根拠と言及しました。一方、イエレン議長自身、自然利子率が極めて低水準にあることを認めていますから、今後の将来的な利上げ余地が限定的なのではという印象を受けました。
中長期的に緩和的な金融政策が続くとの見方が強まったため、成長株を中心に資金が流入しました。また、2016年以降において議会証言後にダウが上昇する傾向がみられます。金融政策への不透明感が後退することで、投資家の買い安心感につながるという構図であり、今回も同様のパターンに期待したいと考えています。
ターンアラウンド、すなわち事業再生です。この気づきを与えてくれた企業がマクドナルドとコーチです。マクドナルドの株価は現在、上場来高値圏にあり、コーチは約3年ぶりの高値水準にあります。特にコーチはアマゾンの攻勢を受け、株価が低迷する小売企業が多い中、大健闘といっていいと思います。
実はこの両社は消費者のニーズの変化や競争激化などで、2013年から14年に業績が悪化しました。しかし、その後は経営陣の交代に加え、経営戦略を大幅に変更しました。例えば、マクドナルドは宅配サービスやモバイル決済など時流に合ったセ策を次々に打ち出し、コーチはデザイナーの交代、さらには店づくりや商品で以前のイメージを一新しました。これにより両社ともにブランドイメージの再構築に成功し、業績の改善トレンドに入ったのです。
株価は企業の体質や戦略、さらには業績の変化が起きるときに最も反応する性質があり、この点で今まさに戦略を転換しつつあるウォルマートの注目しています。昨年9月にジェットコムというeコマース企業を買収し、CEOであったマークロア氏を自社に迎えました。ここからウォルマートのeコマース売り上げが急激に成長し、株価も上昇トレンドに入っており、今後も注目したいと考えています。
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