本格的に普及が加速し始めるのはガソリン車と比べて価格が均衡するとみられる2020年代後半以降になりそうです
2017年8月2日(水)Newsモーニングサテライト
SMBC日興セキュリティーズアメリカ 尾坂将司さん
インフレ指標としてFRBが重要視しているエネルギーと食料品を除いたコアインフレデフレータは前年比で1.5%増と市場予想を上回りました。発表直後にアメリカの金利は上昇しましたが、自動車メーカー各社から軟調な7月の販売データが発表されるとすぐに打ち消されました。
先週のFOMC以降、バランスシート縮小の開始の発表は9月が濃厚とみられており、FRB高官からも縮小タイミングについてはインフレにかかわらず決定するとの発言が出ているため、足元での重要性は薄れてきています。金融政策に関する目線は年末以降の利上げタイミングにシフトしており、足もとではホワイトハウスや議会の混乱に注目が集まっているため、今週末の雇用統計でもよほど大きなサプライズがない限り影響は小さいとみられています。
スウェーデンのボルボは2019年以降の自動車モデルはすべて電気自動車かハイブリットにすると発表し、市場を驚かせました。先月、フランスとイギリスの政府がどちらも2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止すると発表し、本格的な電気自動車の普及に向けて、ヨーロッパ全体が動き始めています。
2016年時点で電気自動車の累計販売台数は意外にも中国が65万台で世界一となっています。中国では政府支援による補助金支給やナンバープレートの無条件提供によって急速に販売が増加しています。アメリカではやはりテスラが最大の企業で、先週、大衆向け電気自動車モデル3の納車イベントを行い、来年の生産台数も50万台と強気の見通しです。
ブルームバーグが7月にアップデートした数字では2040年の世界の年間新車販売に占める電気自動車の比率が54%に達すると予想されています。想定以上にリチウムイオン電池のコスト低下が早かったため、去年時点の35%から見通しを引き上げました。ただ、本格的に普及が加速し始めるのはガソリン車と比べて価格が均衡するとみられる2020年代後半以降になりそうです。
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