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今回は議会の歩み寄りのチャンスがまだあるため、可能性は低いと考えていますが、9月以降も決められない政治が続けば、金融市場の警戒感が高まることが考えられます

2017年8月9日(水)Newsモーニングサテライト

岡三証券NY 高野一真さん

ラルフローレン、マイケルコース両社とも決算が好感されて株価は大幅高となっています。既存店売上高は引き続き減少するなど苦しい状況が続いていますけれども、過度な値下げを抑制するなどして、短期的な売り上げではなく、長期的なブランド価値創出に注力しているようです。今回、粗利益率が改善を示すなど両社が推し進める改革に期待感が高まったことも株価上昇の一因だったと考えています。
今年だけで大手小売企業は6000点以上の店舗閉鎖を発表しています。今回の決算についてはやはり事業環境が厳しい中、わずかな増益のとどまるとの市場予想となっています。一方、決算内容はもちろんのこと、ネット販売戦略や不採算事業のリストラなど今後の経営方針に注目が集まることが考えられます。

アメリカの短期債の利回り曲線を見てみると、5月末時点では緩やかな傾斜となっていました。一方で、8月4日になると、10月償還の短期債利回りが急に大きく跳ね上がっています。
債務の上限問題が関連していることが考えられます。アメリカでは今年3月に復活した債務の上限まで借り入れを行っている状況です。財務省が様々な措置を講じて、何とか資金繰りを行っていますけれども、予算局は引き上げの最終期限は10月上旬から半ばと予想していることから、10月償還の短期債が敬遠されていることが考えられます。
デフォルトの懸念が高まることが予想されます。2011年のオバマ政権時にはぎりぎりまで債務上限の引き上げが行われず、格付け会社S&Pがアメリカ国債の格付けを引き下げたほか、ニューヨークダウは7月下旬から10月にかけて2000ドルほど下落しました。今回は議会の歩み寄りのチャンスがまだあるため、可能性は低いと考えていますが、9月以降も決められない政治が続けば、金融市場の警戒感が高まることが考えられます。

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