夏休み明けの議会では債務上限引き上げの問題が待ち構えていますが、ワシントンはカオス状態です。ただ、経済と金融政策は極めて堅調ですので、株価が下がったところは投資の好機と考えています
2017年8月22日(火)Newsモーニングサテライト
大和証券CMアメリカ シュナイダー恵子さん
インフレに関する議論に注目しています。というのも、最近、連銀高官が相次いで低インフレの長期化を示唆しているからです。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁はインフレを幽霊に例えています。幽霊は絶対にないと証明できないので、出るのではないかと不安になる、インフレも同じかもしれないという話です。
利上げはこれだけ失業率が下がると賃金が上昇し、いずれ物価も上がるという前提に基づくわけですが、この関係性が切れてしまったように見えます。物価は幅広い項目で低下傾向がみられ、一過性とは言えなくなってきました。インフレに関して新しい認識が示されるか注目しています。
アメリカでは人種差別問題は開けてはいけないパンドラの箱です。政財界を率いる有力者の中にはコーン国家経済会議委員長などユダヤ系アメリカ人が多いことからも白人至上主義を擁護する発言は社会的影響が非常に大きく、政権にとって大打撃です。
バノン氏解任でとりあえず辞任がうわさされていたコーン委員長を引き留めることができても、トランプ大統領のリーダーシップは大きく失墜しました。経済界からも信頼を失い、政策推進への協力は期待できません。共和党内部では早急なダメージコントロールを求める声もあり、市場ではポストトランプの声も聞こえ始めています。
9月の相場は波乱含みとの見方が多いようです。夏休み明けの議会では債務上限引き上げの問題が待ち構えていますが、ワシントンはカオス状態です。ただ、経済と金融政策は極めて堅調ですので、株価が下がったところは投資の好機と考えています。
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