マイクロソフトは今月からスカイプを通じて個人間の送金サービスを開始したほか、秋にはアップルがアップルペイを使って市場に参入するなど幅広い企業にとってビジネスチャンスになると期待が高まっています
2017年8月25日(金)Newsモーニングサテライト
岡三証券NY 近下篤子さん
今日発表になった中古住宅販売件数は予想に反して前月比で減少しました。2カ月連続でマイナスとなるのは2015年11月以来です。在庫が不足する中で、住宅価格が上昇していることが買い控えを招いているとみられます。昨日、決算発表を行った住宅建設会社も新築住宅の価格がかなり速いペースで上昇しているとコメントしていて、一部の消費者が値上がりについていけず、取り残されている可能性があります。
雇用市場の回復や株高など個人の所得を取り巻く環境は良好で、本日発表になった4-6月期の住宅ローン延滞率は17年ぶりの水準まで低下しており、住宅購入者の支払能力は改善が続いているとみられます。ただ、住宅価格の上昇の背景は建設コストの増加に加え、雇用市場がひっ迫する中で建設業界の人事が不足していることなどが挙げられます。このような供給サイド側の問題が今後の住宅市場の足かせとなりそうです。
オンラインで個人同士が送金や決済を行う取引が増加しています。これはP2P決済と呼ばれ、無料で利用できるアプリが普及したことから今年の決済額は前年比で55%増加すると見込まれるなどアメリカはP2P決済の先進国です。
代表的なものはペイパルがアメリカで提供するベンモでミレニアル世代に人気です。操作が簡単であることに加え、送金手数料がかからないことが普及の背景にあり、友達同士で食事代を割り勘するときなどにもよく使われています。ベンモを利用した決済額は4-6月期には前年比2倍となる80億ドルに達しています。
アメリカの銀行など30以上もの金融機関が参加する決済ネットワーク、ゼルが本格的に始動することは利用者のさらなる増加のきっかけとなりそうです。銀行提供ということもあり、セキュリティ面でも安心感があります。ウェルズファーゴやバンクオブアメリカなどが先行して導入していますが、そのほかの銀行も今年6月から随時導入を進めています。一方で、大手ハイテク企業も既に需要取り込みに動いています。マイクロソフトは今月からスカイプを通じて個人間の送金サービスを開始したほか、秋にはアップルがアップルペイを使って市場に参入するなど幅広い企業にとってビジネスチャンスになると期待が高まっています。
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