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今後、アメリカ産LNGの輸入比率が増加する見通しですが、その原料である天然ガス価格の上昇は日本にとってより重要な問題になってくると考えています

2017年8月18日(金)Newsモーニングサテライト

三井住友アセットマネジメントNY 曽根良太さん

足元のドル高のほか、ここ最近のOPEC非加盟国との会合などで生産量が順調に回復しているリビア対して、どのように対応するのか具体的な議論が行われていないことが挙げられます。また、イラクの減産順守率の低さやサウジの生産増加などここ最近、OPEC全体の積極性が低下している印象です。
アメリカではドライブシーズンが終了に向かうため、この先、石油需要の減少が予想されています。さらにシェールオイルの生産量についてもアメリカエネルギー情報局は9月の増加見通しを示していることから、供給過剰感が再燃しそうです。よって、原油価格は再び40ドル台前半を目指し、軟調な展開が続くと考えています。

今年2月に入って統計開始以来、初めて単月ベースで輸出が輸入を上回りました。4月、5月も上回り、およそ60年ぶりに年間で純輸出国となることが鮮明になりました。アメリカのエネルギー情報局は今後も当面の間、輸出が輸入を上回る状況が続くとみています。
米国内の天然ガス供給過剰感が緩和されることで、天然ガス価格が上昇し、その結果、天然ガスを原料とするLNG価格の上昇が予想されます。アメリカには豊富な天然ガスの埋蔵量がありますが、この数年の原油とガスの価格の低迷を受けて、生産会社が大きく投資を抑制しているため、買い手が十分な天然ガスを調達できないことも考えられ、これも価格上昇要因です。
2018年以降、アメリカから日本向けのLNGプロジェクトが本格化します。日本のLNG消費量は世界第1位で、国内発電燃料に占める割合は40%強と最大であり、日本の電力価格への影響は小さくはありません。今後、アメリカ産LNGの輸入比率が増加する見通しですが、その原料である天然ガス価格の上昇は日本にとってより重要な問題になってくると考えています。

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