それでもITは主力株の株価が足元で軟調なことや業績の裏付けがあること、そしてヘルスケアは予想PERが低く、割安であることなどを理由に市場に波乱材料がある局面いおいて選好されやすいと考えています
2017年9月21日(木)Newsモーニングサテライト
大和証券CMアメリカ 森本裕貴さん
利上げ見送りとバランスシート縮小の発表は想定通りでした。最大の注目点は2019年とさらに長期の政策金利見通しを引き下げたことです。これはFRBがバランスシートを縮小することで、長期金利が上昇するということを意味します。つまり積極的な利上げを行う必要がないから政策金利見通しを引き下げたと考えられます。この発表を受け、債券市場で金利が上昇しました。また、それに反応する形で株式市場では金融株が買われましたが、一方で、足元上昇していたIT株が売られました。
マーケットはFRBの長期的な金利上昇予想を織り込んだというよりも年内残り1回の利上げ予想が据え置かれたこととハリケーンによる経済への影響が一時的だと示されたことの2点に短期的に反応している印象です。今後は政策金利見通しが引き下げられたという部分を織り込む形で一方的な金利上昇は早期に歯止めがかかるとみています。
予想に当たって利上げが決定された過去3回のFOMC後の株価の動きを参考にしたいと思います。今回は利上げはなかったものの、バランスシートの縮小を始めるという金融政策の変更があったためです。過去3回ともFOMC後1カ月は株価は横ばい、その後に上昇トレンドに戻るというパターンが見られました。
セクター別で見るとITとヘルスケアの上昇が目立っています。この両セクターに関してはFOMCの1か月後、3カ月後ともに指数全体を上回るパフォーマンスを見せています。利上げが決定されるFOMCの直前は金利上昇への警戒感から高成長セクターであるITとヘルスケアの株価は弱含み、FOMC通過後は材料出尽くしの安心感から買い戻されるという構図だと考えられます。
今後は債務上限問題が徐々に意識されてくるためリスクイベントを完全に通過したとはいえず、事情はやや異なります。ただ、それでもITは主力株の株価が足元で軟調なことや業績の裏付けがあること、そしてヘルスケアは予想PERが低く、割安であることなどを理由に市場に波乱材料がある局面いおいて選好されやすいと考えています。
« Amazonなんかが本格的に小売業界に影響を及ぼし始めたのはここ2年ぐらいなんですけれども、商業用不動産の契約というのは通常短くても5年ですので、まだこれから影響が出てくるということですね | トップページ | 買収先が意向に沿わない場合は資金の返還を求められるなど投資家に対する補償もあるため、今回のソーシャルキャピタルの動向次第でこうしたSPACを活用する方法がさらに増える可能性が指摘されています »
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