企業のファンダメンタルズから見ると、VIX指数はまだ上昇するような状況ではありません。大きな調整はまだ先のような気もしますが、今後も決算を見るうえでアナリスト予想に変化が出てくるかを注視する必要があると考えます
2017年9月26日(火)Newsモーニングサテライト
野村グループ 前田秀人さん
まず今週発表される減税案を受けて議会で予算決議が可決される必要があり、最終案の大枠や大まかな数字が明らかになるのは11月以降になるとみられます。また、減税を今年の1月に翻って適用させることを目指すのであれば、来年の初めまでの法制化の目途を立てなければいけません。
野村ではトランプ大統領が当初表明していた大規模な減税改革には至らないと考えます。大規模な減税改革は現在の議会の情勢からは厳しく、また規模に関しても過去、大型減税が成立しているときは財政の見通しが比較的明るい時、もしくは経済状況が悪化しているときで、現在の状況はその逆です。結局、主に中間層を対象とした個人所得減税を柱とし、法人税については22%から25%への引き下げを目指すと予想されます。マーケットでもこの水準を見込んでいる人が多いようですが、具体策が見えてくる中で株価も織り込み始めると考えます。
いつ崩れるかという予想に関しては困難ですが、一つの目安として過去、株価が大きく崩れるとき、投資家心理を示す恐怖指数、つまりVIX指数が20以上で2カ月以上推移する傾向があります。
企業の業績に絡むところで2点あります。1点目はアナリストによる企業決算の予想が各社で大きく乖離しているときです。要は決算の不透明感が高まっているときといえます。直近の決算を見ると各アナリストの予想の乖離はこの20年で最も低い水準であり、VIX指数の低さを後押ししているとも言えます。
2点目は実際の決算発表が予想を下回るネガティブサプライズの数が多いときです。現在の状況は2012年から決算が予想を上回るポジティブサプライズが上昇トレンドにあり、ネガティブサプライズの数を大きく上回っています。企業のファンダメンタルズから見ると、VIX指数はまだ上昇するような状況ではありません。大きな調整はまだ先のような気もしますが、今後も決算を見るうえでアナリスト予想に変化が出てくるかを注視する必要があると考えます。
« 買収先が意向に沿わない場合は資金の返還を求められるなど投資家に対する補償もあるため、今回のソーシャルキャピタルの動向次第でこうしたSPACを活用する方法がさらに増える可能性が指摘されています | トップページ | 倉庫などを中心に投資を行うデューク・リアルティによれば、今後も倉庫需要は順調に拡大すると予想されていて、雇用と同様、REIT市場でも実店舗から倉庫へという動きが続きそうです »
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