利益確定売りの動きも見られるハイテク株ですが、比較的長いタームでの成長期待を背景に株価が再び堅調となる可能性があります
2017年9月29日(金)Newsモーニングサテライト
SMBC日興セキュリティーズアメリカ 大塚祐貴さん
10-12月期GDP成長率は逆にハリケーン被害後の復興や抑制された需要の反発が期待されています。今のところ市場予想のコンセンサスは2%台の成長となっていますが、予想を上回り、再び3%台の強い成長に戻る可能性もあります。
年末終戦シーズンを迎える10-12月期の小売売上高は1年前と比べて最大4.5%増加することが期待されています。今年の年末商戦への期待の高さは小売り各社の強気な臨時雇用にも表れていて、小売り大手のターゲットは過去最多となる10万人、配送大手のUPSが9万5000人、競合のフェデックスも5万人としています。年末商戦に向けた雇用増加と個人消費のさらなる拡大がGDP成長の押し上げ要因となると考えています。
成長への期待が高いハイテク株を中心としたグロース株指数と金融株など割安とされるバリュー株指数の年初からの動きを見ると、グロース株が圧倒的優位に推移しています。実は長期で見ても、2007年ごろからのグロース株優位の展開は続いていて、すでに10年以上が経過、2000年ごろまでのITバブル期の7年程度を上回っています。
ITバブルの時はインターネットの普及率が急速に上昇する中でグロース株優位の展開が続きましたが、2000年代に入って、インターネットの普及率が50%を超えると終わりを迎えました。
現在のハイテク株の原動力はAIや自動運転といった技術で、まだ成長の初期段階にあると考えています。たとえば、自動運転に関してはあるコンサルタント会社の予測は2035年時点でも新車販売台数に占める自動運転車の比率は25%程度とされており、本格的に普及するまで長い成長期間が存在すると考えられます。利益確定売りの動きも見られるハイテク株ですが、比較的長いタームでの成長期待を背景に株価が再び堅調となる可能性があります。
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