ウォルマートのように好調な業績が続く企業の中でも割安感のある銘柄などが自社株買いを発表することで、アメリカ株の支えになることが期待されます
2017年10月17日(火)Newsモーニングサテライト
SMBC日興セキュリティーズアメリカ 大塚祐貴さん
市場の不安心理を示すとされるVIX指数を見ると、10ポイントを下回る日が続いていて、10月の日々の終値を平均すると先週末時点で9.7となっています。今年の平均11.3、9月の平均10.4と比べても一段と低くなっています。このVIX指数とISM製造業景気指数の推移を重ねてみると、逆相関になっていることから市場の変動を抑えている要因としてアメリカの堅調な景気が大きいと思われます。
世界的に景気が回復していることも大きいと思います。世界景気の強弱を知ることができる銅価格と地政学リスクなど不安状況を知ることができる金価格を比べて、どちらが優勢となっているかを指数で示すと、現在は銅の価格が優位となっていることから市場では世界的な景気回復がより強く意識されていると考えられます。
株主還元の方法には自社株買いと配当の二つがあり、配当の比率は比較的安定しているのに対し、これまでアメリカ企業が積極的に行ってきた自社株買いの比率は昨年後半あたりから減少傾向となっています。
株価が上昇を続けていることが自社株買い減少の一因だとみられています。また、昨年の大統領選挙後に一段と減少していることからトランプ政権に対する将来的な政策の不透明感もあって、企業は自社株買いを縮小し、利益を内部留保に回しているとも考えられます。
ただ、自社株買いが増加に転じる兆しもあります。先週、小売り大手のウォルマートが今後2年間で200億ドルの自社株買いを行う計画を発表しました。アマゾンとの競争が厳しい中でも業績見通しにも自信を持っているようです。ウォルマートのように好調な業績が続く企業の中でも割安感のある銘柄などが自社株買いを発表することで、アメリカ株の支えになることが期待されます。
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