オンライン販売の広がりで、返品額も増加傾向にある中、アマゾンなどの動きは顧客の返品を制限するのではなく、返品対応を強化することにより更なる顧客基盤の拡大を狙うものと考えられます
2017年10月25日(水)Newsモーニングサテライト
岡三証券NY 高野一真さん
キャタピラーの7-9月期決算では売上高、1株利益ともに市場予想を大きく上回りました。世界的な需要な増加やディーラーの在庫拡充を受け、主力機械の売り上げが軒並み拡大していることが寄与しています。また、工業用品などを幅広く提供する3Mは電子機器、エネルギー部門の売上高が大きく増加したことなどから、市場予想を上回る業績を発表しています。
業績見通しを大きく上方修正したことが買い安心感につながったものと考えています。今回、キャタピラーは2017年通期の売上高見通しを40億ドルに引き上げていて、今年はこれで3度目の上方修正となりました。3Mは今後も堅調な売上高の伸びを予想しているほか、2017年通期の利益見通しを前回より14%ほど上方修正しています。先日のユナイテッドヘルスやIBMなどに続いて値がさ株がニューヨークダウを押し上げる動きが続いています。
先日、ウォルマートは商品の返品に関して11月前半から返品処理の時間を大幅に短縮する新システムへの移行を発表しました。また、アマゾンは買収した高級スーパーのホールフーズで返品対応を行っているほか、先週からデパート大手のコールズでもアマゾンの返品の受付を開始しました。
最近ではミレニアル世代の間でいくつもの商品をオンラインで注文し、気に入ったもの以外は返品するというブラケティングという行動が見られます。また、ある調査会社によるとほぼ半数の人々は買い物をする前に返品対応を確認するとしているほか、返品に関するルールが厳しいお店では多くの人が買い物をしないと回答しています。
しっかりとした返品対応によって顧客の企業に対する信頼度が高まり、リピート率が向上するとの調査もあります。オンライン販売の広がりで、返品額も増加傾向にある中、アマゾンなどの動きは顧客の返品を制限するのではなく、返品対応を強化することにより更なる顧客基盤の拡大を狙うものと考えられます。より良い返品対応は顧客が買い物先を決める際に重要視する条件の一つとなりそうです。
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