これまでにAIのディープランニングに有効という点などから需要が高まっていたGPUですが、今後は生化学、医学の進歩にも貢献する形で、その重要性はさらに高まると考えています
2017年10月6日(金)Newsモーニングサテライト
米国みずほ証券 兼松渉さん
我々は日々の買い物や株価のチェックなど様々の用途でGoogleの検索を活用しています。それだけに、仮にアメリカの人々が目先に不況が迫っているとの不安を感じていれば、そういった心境がGoogle検索にも打ち込まれるといった考え方から、US recession、アメリカ不況というフレーズの検索の頻度を調べていました。
検索の頻度を株価の動きと重ねてみると、リーマンショックで株価が暴落する直前、数カ月にわたり検索が増加し始めています。一方、現在は低水準にあり、あまり検索されていないことがわかります。もちろんこれはあくまで一つの見方に過ぎませんが、少なくとも膨大なデータを処理するGoogleが示すアメリカの国民のセンチメントはまだ不況などのそれほど警戒しなくてもよいことを示唆していると考えています。
今年のノーベル化学賞はクライオ電子顕微鏡を開発したと欧米の3人の研究者が選ばれました。これによりウイルスなどの病原体の研究やたんぱく質の機能の研究などが進んだといわれています。
従来の電子顕微鏡ではたんぱく質などの生体分子の構造を調べることが困難でしたが、このクライオ電子顕微鏡は生体分子を急激に冷やすことで、その構造を鮮明な3D画像を使って解析することを可能としました。そして、この技術を陰で支えているのが画像処理に使われるGPUと呼ばれる半導体ですね。
GPUを得意とするエヌビディアは自社のGPUが使われているかは明らかにしなかったものの、この電子顕微鏡が生体分子の3D構造を画像で再現する際にGPUが活躍しているとコメントしています。これまでにAIのディープランニングに有効という点などから需要が高まっていたGPUですが、今後は生化学、医学の進歩にも貢献する形で、その重要性はさらに高まると考えています。
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