小売株をイベント前に思惑で買って事実で売るという取引がなされていると考えられ、投資という観点からは季節的にちょっと待ったほうがいいかもしれません
2017年11月28日(火)Newsモーニングサテライト
野村グループ 前田秀人さん
情報技術セクターは91%の企業が市場の予想を上回る1株利益を達成し、資本財も81%、全体でも78%の企業が市場予想を上回りました。ただ、決算発表を受けた株価の反応を見てみると、気になるところがあります。
市場予想を上回る決算を発表した企業の決算発表から5日間の株価の動きを見てみると、上昇が鈍くなってきていて、直近2四半期に限って言えば、平均でマイナスとなっています。株価は企業が達成した利益と今後達成するであろう利益に対して反応しますが、今回の決算で実績が市場予想を上回っていても、株価の反応が鈍いということは市場が織り込んでいる長期の利益成長率がすでに高水準になっていることを意味しており、市場の息切れ感が意識される可能性があるとみています。
百貨店など旧来の小売店の苦戦が取り沙汰される一方で、アマゾンを筆頭に今年もネット通販がけん引役となり、全米小売業協会はネット通販の売上高は11%から15%増えると予想しています。
ネット通販はアドビの調査ではサンクスギビングとブラックフライデーの売上高が前年比でプラス17%と好調です。一方で、ショッパートラックによれば、実店舗への客足は前年比でマイナス1.6%となっています。とはいえ、実店舗はいまだにネット通販の5倍以上の売上高があり、その動向は無視でみません。また、ネット通販も今年の夏ごろから成長の鈍化が一部で話題になっており、こちらの動向も注意が必要です。
この時期に小売り株を買うのは注意が必要かもしれません。サンクスギビングから年末までのS&P小売株指数は2000年以降の17年間のうち12年において、市場全体をアンダーパフォームしています。要因としては小売株をイベント前に思惑で買って事実で売るという取引がなされていると考えられ、投資という観点からは季節的にちょっと待ったほうがいいかもしれません。
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