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手ごろな物件の供給がまだ少ないなど懸念材料はありますが、株式市場でも住宅市場の改善期待を織り込む動きが続きそうです

20171130()Newsモーニングサテライト

 

岡三証券NY 高野一真さん

 

79月期GDP改定値はハリケーンの影響を受けながらも、前期比年率3.3%3年ぶりの大きな伸びとなりました。アメリカ経済のおよそ3分の2を占める個人消費は下方修正されましたが、設備投資や在庫投資などが上方修正され、全体を押し上げています。

個人消費に関して賃金の伸びが緩慢であるという点は引き続き懸念要素となりそうですけれども、今後はハリケーンの影響がかなり軽微になることに加えて、好調が伝えられる年末商戦も追い風となりそうです。本日、FRBのイエレン議長も議会証言の中で、アメリカの景気拡大はさらなる拡大を見せていると自信を示しているほか、ニューヨークやアトランタの連邦準備銀行が予想する10-12月期のGDPは3%台半ばとなっていて、成長がさらに加速することが見込まれています。

 

本日は10月中古住宅成約指数が発表され、前月比プラス3.5%と市場予想を大きく上回りました。これで11月に発表された主要な住宅指標はすべて市場予想を上回っていることになり、住宅市場の回復機運が一段と高まっています。

先日発表された10月新築住宅販売件数では20万ドルから30万ドルの価格帯が1年前から36%増加しました。この価格帯は2000年以降に成人になったミレニアル世代などがターゲットと言われ、高価格帯と比べ回復が遅れていましたが、35歳未満の持ち家比率が今年に入って2四半期連続で改善を示すなど手ごろな値段の物件に対する明るいニュースが増えてきていると言えそうです。

例えば、売上のほとんどが手ごろな価格帯が占めているLGIホームズは79月期の販売戸数が1年前と比べ60%以上増加し、通年の販売見通しも大きく引き上げました。これまでアパートなどを借りていた人々が住宅購入に移ってきているとしています。手ごろな物件の供給がまだ少ないなど懸念材料はありますが、株式市場でも住宅市場の改善期待を織り込む動きが続きそうです。

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