アメリカ市場の正の循環に期待したいところです。その点、今週決算のアリババ、そして来週はオンライン旅行大手プライスラインやホテル大手のマリオット、これらの業績見通しに注目しています
2017年11月2日(木)Newsモーニングサテライト
大和証券CMアメリカ 森本裕貴さん
前回から変化があったのはインフレへの言及です。ハリケーンの物価への影響についてはすでに9月の声明文で一時的との言及がありました。今回の声明文でもこの部分に関しては変更する必要がなかったとも言えます。しかし、そこに食品とエネルギー以外のコアインフレは依然として弱いという指摘を入れたことで、FRBは低インフレを警戒していることをより鮮明にした印象です。FRBが利上げとバランスシートの縮小という金融政策を進めていくうえで、低インフレにどう向き合うかが今後の課題となります。経済指標の中でFRBが重視するPCEコアが相場に与える影響がより大きくなってくるかもしれません。
一つは決算発表の後半戦。そして、もう一つは年末商戦の動向です。一見、まったく別のテーマに見える両者ですが、実は大きく関連しています。
まず年末商戦に関しては今年の年末商戦期の小売売上は前年比でプラス3.6から4%と非常に強い予想が入っています。金額ベースでは2010年から続く過去最高の更新が続く見込みです。その背景には株高や住宅価格の上昇によって資産効果が高まっていることや税制改革への期待があります。
今後の決算発表で最も多いのが一般消費財セクターです。このセクターには小売りや消費関連企業が多く含まれています。これらの企業の業績、中でも見通しの部分は年末商戦の動向と密接にリンクしています。年末商戦への期待が高いと業績修正の上方修正につながり、業績が改善して株価が上昇すれば、それが資産効果という形で消費につながってきます。アメリカ市場の正の循環に期待したいところです。その点、今週決算のアリババ、そして来週はオンライン旅行大手プライスラインやホテル大手のマリオット、これらの業績見通しに注目しています。
« 過去の利上げサイクルとは違って、低インフレ、低金利のまま景気が回復、この低インフレが株価を支えています。これからAIや自動運転が私たちの生活を変えるとすれば、この水準からも投資妙味は大きいと考えています | トップページ | トランプ大統領は事前にブロードコムと駆け引きを行い、アメリカ企業になれば、クアルコムの買収を認めるといった条件を提案していた可能性もあるといわれています »
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