8年ほど続いている強気相場においてアメリカの個人投資家による積極的な株式投資が始まったということは相場の過熱感を示すのではという見方もあり、油断は禁物であると考えています
2017年12月8日(金)Newsモーニングサテライト
米国みずほ証券 兼松渉さん
企業減税による業績の押し上げ効果はすでに株価に織り込まれているのではという懸念が市場関係者の間では広まっているのですが、まだ織り込んでいないと考えています。減税の恩恵を受けると思われる企業は株価の動きが冴えないのに対し、恩恵を受けにくいとされる企業の株価が好調な動きを見せているのがその根拠なんですね。
まず、減税の恩恵を受ける企業、つまり今の税率が高い企業をまとめた高法人税率指数やトランプ政権が減税を強調する中小企業で構成されるラッセル2000のパフォーマンスは相場全体を下回っています。一方で、恩恵を受けずらいのはすでに税率が最も低いとされるハイテクセクターですが、こちらは年初来で最も良いパフォーマンスを見せています。つまり減税による効果はまだそれほど評価されていないということなんですね。今後はこういった減税の恩恵を受ける企業の追い上げが期待できると考えています。
アメリカの個人投資家が買いに来ているという点なんですね。個人投資家を対象とする証券会社の大手。TDアメリトレードが管理する個人投資家の動きを示す指数は11月に過去最大の伸びを見せ、史上最高値を更新しました。このところ個人投資家の買いが急増していることがわかります。金融危機以降は長期にわたり長いレンジでもみ合っており、特にここ数カ月の大きな買いが目立っています。
株式市場は連日のように高値を更新していることからややサプライズ感もあるのですが、これまで金融危機のトラウマから抜け出せなかったアメリカの個人投資家の投資資金がようやく株式市場に振り向けられてきていると考えています。
アメリカの投資家の観点からすると、トランプ政権に対する期待、米国第一主義、雇用状況の改善、住宅価格上昇による資産効果など様々な要素があると考えています。もっとも8年ほど続いている強気相場においてアメリカの個人投資家による積極的な株式投資が始まったということは相場の過熱感を示すのではという見方もあり、油断は禁物であると考えています。
« WTI原油価格で少なくとも50ドルが必要との強い認識が見られたことから、50ドル以下では生産調整が実施されます。したがって、当面は50ドルから60ドルでの推移を予想しています | トップページ | 11番ラッキーライラック差し切りました。ラッキーライラック、無傷の3連勝。見事2歳女王に輝きました。2番手が7番リリーノーブル、その後4番マウレア3番手です。 »
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