すでにシティとかバークレイズが出していますけれども、もしこれがネガティブに受け止められて、下がる場面があれば、実は金融機関にとっては株を買うチャンスだと思います
2017年12月28日(木)Newsモーニングサテライト
ホリコ・キャピタルマネジマント 堀古英司さん
通常、年末に節税目的の株の売却が出やすいというのがあって、この反動で、年初1月効果で株が上昇しやすいというのがあります。ただ、来年、減税が始まりますので、今年売るのではなくて、来年売ったほうがいいのではないかという見方が一部出ているんですけれども、これは実は正しくありません。
まず第一にキャピタルゲイン税率には変更がないんですよね。今年売ろうと来年売ろうと税率は変わらないということ。第二に実はニューヨーク州とかカリフォルニア州とか州税の高い地域に住む人たちは地方税の控除ができなくなって、来年増税になるんですよね。どちらかというと、今年売った方が有利という、そういう人たちはなります。年末特有の節税目的の売りですけれども、こちらのほうは今年上昇しているのであまり出ないかもしれませんけれども、どちらかというと1月効果、今回も少しは出るということで間違いないと思います。
まず表向き不動産が不利に見えるんですけれども、要因は住宅ローンの利子の控除が減額されたり、不動産の固定資産税が一部控除できなくなったり、ニューヨークやカリフォルニアの人は税額控除ができなくなったりというのがあるんですけれども、実はこれは法案が成立する数日前に急遽盛り込まれたというのもあって、税率控除20%受けることができることになって、実は総合的に不動産投資は有利になるような税制になっています。
金融機関は実効法人税率が高かったので、メリットを受けるんではないかと思われていたのですが、一時的にネガティブな要因が来年にかけて出る可能性があります。
多くの金融機関は金融危機の時に膨大な損失を出したわけですけれども、これに伴って繰延税金資産があるんですね。繰延税金資産は通常、将来得た利益と相殺できるのですが、来月から税率が下がりますので、繰延税金資産の価値が下がってしまうんですよね。たぶん来月にかけて特別損失を出してくる金融機関が出てくると思います。すでにシティとかバークレイズが出していますけれども、もしこれがネガティブに受け止められて、下がる場面があれば、実は金融機関にとっては株を買うチャンスだと思います。
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