逆イールドを単に景気後退の兆候と捉えると、貴重な投資機会を逸する可能性があるのではと考えます
2018年1月18日(木)Newsモーニングサテライト
野村グループ 前田秀人さん
リスクオンによる株高とドル安が同時に進んでいますが、同じような局面は2016年前半にもありました。その時の背景には人民元ショックなどに対処すべくFRBが利上げ回数の見通しを引き下げたことがあります。現在に関しては世界景気の強さと比べ、相対的に利上げペースが緩やかすぎるとも言えるのではないでしょうか。
もちろん個別企業まで落とし込めば、海外での売上高比率との関係から為替の変動は企業収益に影響します。ただ、ドルとアメリカ株との関係はそれほど明瞭ではありません。S&P500指数とドル指数の動きを見ると、日本のような円安イコール株高といった一貫した逆相関は見られず、ドル安株高の局面もあれば、ドル高株高の局面もあります。アメリカ株と為替の関係は時間の経過とともに変化しています。
10年債利回りと2年債利回りの差は13年末に約2.6%あったものの、足もとでは約0.5%と縮小が進んでおり、長期と短期の金利の逆転、いわゆる逆イールドが発生するのではという声が一部で聞かれています。
ただ、詳細に理解することが重要かもしれません。逆イールドが発生する局面には二つのケースがあります。一つは市場の想定通り景気悪化が生じ、FRBが利下げを迫られていくケース、もう一つは市場の想定よりも経済状況が強く、FRBが利上げを続けるケースです。過去を振り返ると、1970年以降、逆イールドが発生したのは5回です。そのなかで経済情勢が強く、利上げ局面であったのは4回であり、株価は上昇しています。
逆イールド発生の初期段階ではむしろ景気加速を伴うことが多いです。実際の経済回復が市場想定よりも長時間経過した結果、利上げが想定よりも長く続き、短期金利が長期金利を追い抜いているといえます。これは数年に及ぶこともあるため、逆イールドを単に景気後退の兆候と捉えると、貴重な投資機会を逸する可能性があるのではと考えます。
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