足もとの調査では企業は引き続き人材の採用に積極的であること示しています。まだ、失業率反転の兆しは見られず、メルトアップ後でも株価は堅調に推移しそうです
2018年1月30日(火)Newsモーニングサテライト
SMBC日興セキュリティーズアメリカ 尾坂将司さん
すでに決算を発表紙他企業の多くが税制改革の影響を反映させて、今年の業績見通しを上方修正させてきましたが、今週注目されるITやヘルスケアは元々実効税率が低く、減税の恩恵が少ないとみられてきました。しかし、実際はそうでもなさそうです。
半導体のインテルと医薬品メーカー、アッヴィは先週、決算を受けて株価が大きく上昇しました。彼らが発表した2018年の実効税率見通しがそれぞれ14%と9%とアナリストたちの予想よりもさらに低い水準だったことが評価されたと報じられています。今回の税制改革では海外の知的財産からの利益に対しても、法人税率と同じ21%が課されるようになりましたが、その際に50%の控除が認められているため、その分野からの利益が大きいIT企業や医薬品メーカーにとっては実効税率の引き下げにつながったようです。この点が今後の決算でも注目されそうです。
今年に入って株式市場で注目されている言葉はメルトアップという言葉で株価上昇に乗り遅れたくない投資家たちが市場に殺到し、株価をさらに押し上げる状態のことを言います。去年からのS&P500指数の動きを見てみると、1月から8月は月平均1%、9月から12月は月平均2%、そして今年1月は先週末時点ですでに7%以上と上昇のペースが段階的に加速していて、上昇が上昇を呼ぶメルトアップの状態といえそうです。
過去、同様のパターンは8回ありましたが、そのうち6回はそのあとも上昇しています。例えば、1997年1月は6%以上上昇していて、前年からの上昇が加速しています。そのあと2月から年末にかけてペースは落ちるものの、月平均2%の上昇、トータルでは約23%上昇しました。下落した2回の事例は1929年と46年の大規模な景気後退によるものです。
過去、景気後退に陥る前には低下していた失業率が反転するというサインがありましたが、足もとの調査では企業は引き続き人材の採用に積極的であること示しています。まだ、失業率反転の兆しは見られず、メルトアップ後でも株価は堅調に推移しそうです。
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