M&A案件が増えれば。投資銀行業務を行う金融セクターのとっても好材料になるとみています
2018年1月5日(金)Newsモーニングサテライト
米国みずほ証券 兼松渉さん
インテル製の半導体、CPUにセキュリティ上の弱点があると報じられたことを受けて、半導体セクターの株価が大きく動いています。インテルはハッカー攻撃に対して脆弱な面があることを認め、同業他社のCPUにもそういったリスクがあることを指摘しました。
この問題はパソコンだけではなくクラウドコンピューティングに使われるサーバーなどにも影響してきます。アルファベットやアマゾンなどのハイテク大手はこの問題を受けて、関連ソフトウェアのプログラムに手を加えていることを明らかにしました。ただ、この修正によりCPUのパフォーマンスは最大30%のスローダウンを強いられるとの指摘もあります。一方で、中長期的な観点からすれば、今回の問題はパソコンやサーバーなどハードウェアの買い替え需要を前倒しにする一つのきっかけになると考えています。
今年の株価を押し上げる一つの材料としてM&A、合併と買収に注目しています。昨年もウォルトディズニーやアマゾンなどによる大型のM&A案件が目立っていましたが、金額ベースでみるとそれほどの額ではありません。
去年の月ごとのM&Aの案件額を見てみると12月に大きく増加しています。去年、M&Aが伸び悩んだ最大の理由としてトランプ政権の政策をめぐる不透明感があったことを示しています。企業は税制改革、特にレパトリ減税の内容を見極めたいといった思惑からM&Aの多くを先送りにして、税制改革の内容が概ね明らかになった12月に増やしたとみています。
今年はレパトリ減税によってアメリカに還流するものも含めて豊富な手元現金を使ったM&Aが活発化すると予想します。特に海外に多くの資金を置き、レパトリ減税の恩恵を受けやすいとされるハイテクとヘルスケア、特にバイオ医薬品セクターについては成長を求めて開発中の新薬を買収によって取り込む動きが加速すると予想しています。また、M&A案件が増えれば。投資銀行業務を行う金融セクターのとっても好材料になるとみています。
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