FRBがタカ派姿勢を強めても、それは経済が強いためとみなされ、1999年以降に見られたような金融引き締めと金利上昇、株価上昇が同時に起こる局面も再現されるかもしれません
2018年2月2日(金)Newsモーニングサテライト
米国みずほ証券 堀内隆文さん
メルトアップ相場ともいわれますが、市場には一定の警戒感も残るものの、じり高継続を想定しています。1996年にグリーンスパン元FRB議長は根拠なき熱狂という言葉で、当時の資産価格上昇を表現しましたが、株価の上昇局面はその後2000年にかけて3年超継続しました。
企業業績見通しの上方修正期待が相場を支えているとみています。足元の1か月間で今年と来年のS&P500指数の予想EPSはいずれも4%強というかつてないスピードで上方修正されています。市場予想以上の実績と減税効果を踏まえて、業績見通しの上方修正はしばらく続くとみており、この期待感がPERなど、やや割高なバリエーション評価を許容しているとみています。
2.7%台は2014年以来の水準で、多くのエコノミストの見通しを上回るペースで上昇しています。もっとも、上昇ペースは緩んでくるとみています。
このところの金利上昇の背景には期待インフレ率の上昇があります。原油価格上昇とドル安による輸入物価上昇の二つが起因になっています。ただ、原油価格はやや頭打ちとなってきており、また、原油を起因とする期待インフレ率の上昇一服で、海外との実質金利差の縮小の歯止めがかかれば、政権のドル安容認姿勢と合わせて、ドル安を和らげる要因となります。期待インフレ率の上昇一服が金利上昇に待ったをかけるような状況です。
期待インフレ率の上昇要因の中でも、成長期待のほうが強くなっていくことで、緩やかな金利上昇が続くと思います。FRBがタカ派姿勢を強めても、それは経済が強いためとみなされ、1999年以降に見られたような金融引き締めと金利上昇、株価上昇が同時に起こる局面も再現されるかもしれません。
« バークシャーは本業が保険や鉄道といった内需事業が中心なので、税制改革の恩恵を大きく受けられます。また、保有している株式には金融株が多く含まれており、金利上昇が追い風になることからダークホースといえそうです | トップページ | 1985年以降、コアPCEデフレーターが1年間0.5%以上加速したのは約10%程度となっており、今年中に2%に達する可能性は低いと言えそうです。2%を下回り続ける限り、FRBは市場が懸念しているほどタカ派的な動きにならないと考えられます »
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