昨年末にはティファニーが欧州企業の買収のターゲットになるとの可能性が報道され、ティファニー株は急上昇しました。今後も業界内のM&Aが注目材料になると考えています
2018年2月9日(金)Newsモーニングサテライト
東海東京証券アメリカ 手塚理恵さん
買われすぎてきた債券が売られる動きもあるとみています。一般に名目金利と期待インフレ率の差は実質金利と将来の不透明性の対価であるリスクプレミアムを足したものになります。この推移をみると、リーマンショック以降、低水準です。実質金利は経済成長率を示すとされ、それを2%弱と考えると、リスクプレミアムがかなりのマイナスであるということになります。
世界的な低金利や金余りの長期化が背景にありますが、今後はこの行き過ぎた相場の巻き戻しが起こる可能性があり、これも名目金利上昇要因になるとみています。今日のような急上昇の局面では株式市場に動揺が走ることもありますが、正常化に伴う緩やかな上昇であれば、問題ないと思います。
高級ブランド業界です。グローバルラグジュアリー株指数というエルメスなどの世界の著名ブランド企業で構成された指数があるのですが、こちらは全体を大きくアウトパフォームしています。世界の高級品市場の規模は株高荷夜資産効果から拡大傾向にあります。
M&Aによって複数のブランドを抱えるという戦略に舵を切り、それが成功しています。例えば、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンはブルガリやリモアなどを買収を通じて、約70のブランドを有し、顧客層や商品構成、販売地域を拡充したことで、単一のブランドの不調に左右されない基盤づくりを行っています。コーチブランドを有するタペストリーやマイケル・コースも去年、買収を行いましたが、今週発表した決算において、その成果が確認できました。
単一ブランドを運営する企業はマルチブランド化の流れを受けやすいとみています。昨年末にはティファニーが欧州企業の買収のターゲットになるとの可能性が報道され、ティファニー株は急上昇しました。今後も業界内のM&Aが注目材料になると考えています。
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