1月に製薬会社のセルジーンが、ジュノ・セラピューティクスを買収しましたが、これは新しいがんの免疫療法であるCAR-T療法に使われる新薬を狙ったものです
2018年3月9日(金)Newsモーニングサテライト
東海東京証券アメリカ 手塚理恵さん
通商政策の陰に隠れていますが、現在、上院ではドッド・フランク法の見直しが進められています。現在の見直し案では小規模な銀行の負担軽減に力を入れており、大手銀行には期待されていたほどの恩恵がないのではともみられています。銀行株はその動向に大きく左右されるため、通商政策と合わせて見ていく必要があると考えています。
今年、ナスダックに上場している医薬品企業をターゲットとしたM&Aの総額が約295億ドルとすでに2016年や2017年の年間の水準に迫っています。昨年末に成立したレパトリ減税が海外留保現金を多く保有する医薬品業界のM&Aを加速させており、今後も増えると考えています。
既存の主力薬の特許切れを迎える大手薬品企業や特定の薬への依存が高い企業にとっては成長継続のために新技術や新薬の獲得が必須となっています。また、医薬品業界は専門的な分野に特化したスタートアップ企業も多く、80%以上の企業が時価総額10億ドル未満であり、買収のターゲットになりやすくなっています。
大手医薬品企業が持っていない分野は今後も買収の対象になりやすく、買収後に新しい薬を発表するタイミングでは株価にも影響がありそうです。例えば、1月に製薬会社のセルジーンが、ジュノ・セラピューティクスを買収しましたが、これは新しいがんの免疫療法であるCAR-T療法に使われる新薬を狙ったものです。今年半ばまで新薬の候補を公表する見通しで注目しています。
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