今回のダイレクト・リスティングがうまくいけば、エアビーアンドビーやウーバーなど今後の上場予備軍への期待も高まりそうです
2018年3月7日(木)Newsモーニングサテライト
マキシム・グループ 久野誠太郎さん
ターゲットの11-1月期決算で市場予想を下回る1株利益が嫌気されることとなりました。既存店売上高は市場予想を上回る3.6%増と好調で、特にオンラインが29%増と牽引しましたが、そのオンラインの配送コストや人件費が利益を圧迫することとなりました。2-4月期の利益見通しに対しても同様に冴えないものとなり、株価の押し下げ要因となっています。
決算発表後の説明で、春にも時給を引き上げ、無料配送サービスを拡大するなど投資を拡大させると発表したことで、株価は一段安の動きとなっています。対照的にアマゾンの株価は今日、上昇しており、オンライン販売での優位性を改めて確認させられたという印象です。
スポティファイはダイレクト・リスティングという手法で、直接ニューヨーク証券取引所に上場する方法となります。IPO新規株式公開のように引受会社が投資家からの需要を集めて、IPO価格を設定するのではなく、単純に発行済みの株式をニューヨーク証券取引所に上場し、売買できるようにするもので、新規の資金調達を伴いません。
上場すれば、既存の株主は一般投資家へ売却することが可能となり、株式の流動性が高まります。また、スポティファイは去年、赤字ではあるものの、売上高、ユーザー数、粗利益率がいずれも伸びています。上場後に業績が向上すれば、株価上昇で時価総額が増えて、企業価値を高めることにもつながります。
ダイレクト・リスティングはIPOでかかる手数料が不要であることや新しく株式が発行されないので、1株当たりの価値が下がらないといったメリットがあります。スポティファイは15日にもオンラインで投資家向けイベントを開催すると報じられており、今月中の上場が見込まれています。今回のダイレクト・リスティングがうまくいけば、エアビーアンドビーやウーバーなど今後の上場予備軍への期待も高まりそうです。
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