今後も各社がさらなる機能を追加することで、需要が喚起され、スマートホーム市場はセキュリティ分野が牽引役になるとみています
2018年3月2日(金)Newsモーニングサテライト
岡三証券NY 近下篤子さん
1月PCEデフレーターは前年同月比プラス1.7%、エネルギーと食品を除くコアはプラス1.5%と伸び率はともに前の月と同じ水準で、市場予想と一致しました。金利は発表直後こそわずかに反応しましたが、注目されていた割に影響は限定的だったといえます。
同時に発表された個人所得では今回の税制法案成立後の賞与など一時的な要因があったほか、本日、パウエル議長が議会証言で賃金上昇の決定的な証拠はないとコメントしたことも期待を打ち消したと思います。ただ、今日はこの物価指標以上に通商政策をめぐる不透明感のインパクトが大きく、今後もこの動向を意識せざるを得ないとみています。
アマゾンはスマートホーム市場の参入に当たって昨年12月にもWiFiでつながる家庭用のセキュリティカメラを買収するなどセキュリティ分野を強化しています。遠隔操作や顔認証が可能な監視カメラ、モニターのついた呼び出しベルなどはスマートホームセキュリティと呼ばれ、スマートホーム事業全体を上回る成長が予想されています。
確かにアマゾンやアルファベットなどのテクノロジー大手は音声認識機能を生かして事業拡大を進めています。しかし、ある調査で、4割以上の人が個人情報や生活習慣などをIT端末に知られることに抵抗があると感じているとの結果もあり、関連製品の買い控えにつながりやすいとの見方もあります。
遠隔モニターなどのセキュリティ関連は防犯の面から重要度が高く、屋外に向けて設置できます。加えて、インターネットにつながる小型監視カメラの普及でデータ管理が簡単になり、スマートフォンから自宅の様子がチェックできることで、利便性も高まっています。今後も各社がさらなる機能を追加することで、需要が喚起され、スマートホーム市場はセキュリティ分野が牽引役になるとみています。
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