ITセクターを構成する上位と下位に分けて、急落後の推移を比較すると、差がどんどん開いていることがわかります。今後もこのトレンドが続くとみており、今上昇している銘柄に投資チャンスがあると考えています
2018年3月13日(火)Newsモーニングサテライト
大和証券CMアメリカ 森本裕貴さん
クアルコムに買収提案をしているブロードコムに、今度は最大手のインテルが買収を提案するのではという報道があり、正直驚きました。インテルはブロードコムとクアルコムの合併が成立して、自社の脅威となることを阻止したいようです。どちらにせよ、総額13兆円以上の巨額の買収案件になることは間違いありません。
ブロードコムの視点から見ると、インテルに買われるか、クアルコムを買うかという選択になります。ブロードコムは過去に何度もM&Aや事業売却を繰り返しており、合併に伴う相乗効果を見極めることを非常に得意としています。通信用半導体の強化を狙ってクアルコムを買収することも、自動運転分野に進出する上で5Gなど通信技術を強化したいインテルに買収されることも戦略としては十分に考えられます。4月上旬に予定されているクアルコムの株主総会までブロードコムがどのような判断を下すか注目です。
今回の相場は2月8日に1回目の底打ちとなり、26日まで反発しました。そして、貿易摩擦懸念などでいったん反落し、3月1日に2回目の底打ちを見せました。今後の反発の先導役として、1回目の底打ち以降、反発を主導している銘柄に注目したいと考えています。
セクターではIT株の上昇が突出しており、S&P500を大きく上回っています。そして、その中身をさらに見ると、アップルやアルファベット、インテルといった主力大型株が上昇しています。また、直近に好決算を発表したばかりの半導体のエヌビディアやクラウドのセールスフォースの上昇も目立っています。つまりIT株の中でも大型で好業績というカテゴリーに属する銘柄が買われているのです。
今年は金利上昇が前提として考えられているため、好業績の勝ち組銘柄に投資が集中しているとみています。IT株でもその傾向が顕著で、ITセクターを構成する上位と下位に分けて、急落後の推移を比較すると、差がどんどん開いていることがわかります。今後もこのトレンドが続くとみており、今上昇している銘柄に投資チャンスがあると考えています。
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