個人投資家は大統領が個別企業を批判するなどトランプ政権ならではの先行き不透明感がセンチメントの重しとなることが見込まれ、これについてはまだ回復まで少々の時間を要すると予想しています

2018年4月3日(火)Ｎｅｗｓモーニングサテライト

米国みずほ証券　兼松渉さん

アメリカの個人投資家のセンチメントを示す指数の悪化がみられています。トランプ政権をめぐる不透明感の中でも中国との貿易戦争に対する警戒感が強く、また、このところのハイテク企業に対する規制強化懸念もあり、個人投資家のセンチメントの冷え込みが株価の重しとなっていると考えています。

北米機関投資家センチメント指数は機関投資家の売買動向を指数化しているもので、個人投資家とは対照的に今年に入ってから上昇トレンドで改善が続いています。3月は7カ月ぶりの高水準となりました。アメリカの個人投資家がリスクオフを図っている中で、機関投資家は目先のトランプ発言などに振り回されず、このタイミングで押し目買いのスタンスを強めていることがわかります。

機関投資家については今月半ばから始まる1－3月の決算シーズンに向けて企業業績と減税効果に対する期待、そして株価の割高感の後退がセンチメントの支えとなると考えています。一方、個人投資家は大統領が個別企業を批判するなどトランプ政権ならではの先行き不透明感がセンチメントの重しとなることが見込まれ、これについてはまだ回復まで少々の時間を要すると予想しています。