ビッグデータの分析に基づいたスリープテックが進展すれば、関連企業だけではなく、より良い睡眠を通して私たちも恩恵を受けられると期待できます
2018年5月9日(水)Newsモーニングサテライト
岡三証券NY 近下篤子さん
睡眠をより良いものにするためにテクノロジーを活用する動きはスリープテックと呼ばれ注目されています。アメリカではおよそ7000万人が不眠症など眠りに関する問題を抱えており、睡眠不足による経済損失は年間4000億ドル以上と世界的に見ても圧倒的な数字で、睡眠の質改善は国家的な課題となっています。
年初に開催された家電見本市、CESでも特設コーナーがあったのですが、フィリップスが睡眠の質を高めるための音波を発するウェアラブル端末を披露したり、ノキアがモバイルアプリと連動し、データを収集するマットレスを展示しました。睡眠中の体の動きや呼吸、脳波といったデータを記録し、快眠を促すものが中心です。
睡眠時の無呼吸症候群やいびきを改善するための医療機器を提供するレスメドという企業は先日の決算発表時に、これまでに蓄積した睡眠データが20億日に達し、業界内での自社の地位を高めていると主張しています。アメリカには無呼吸症候群の人が2500万人ほどいるとされますが、ビッグデータの分析に基づいたスリープテックが進展すれば、関連企業だけではなく、より良い睡眠を通して私たちも恩恵を受けられると期待できます。
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