もし中国からの承認が得られず、破談になり、今後、ほかにも似たような案件が出てくると株価を支える一因であったM&Aの動きが年後半に停滞する可能性もあるとみています
2018年7月18日(水)Newsモーニングサテライト
SMBC日興セキュリティーズ・アメリカ 大塚祐貴さん
今年1月から6月までに発表された世界におけるM&Aにおける評価額は合計2.1兆ドルで、このペースでいけば、過去最高になる可能性があります。減税の効果などが背景にあるとみられ、株式市場を支える一つの要因となりそうです。
トランプ政権による2000億ドル分の追加関税に対抗し、中国側がアメリカ企業が関係する買収案件の承認を遅らせる可能性があります。すでに影響が出ている例としてアメリカの半導体大手クアルコムによるオランダの同業、NXPセミコンダクターズの買収案件があります。
この案件はおととし1月に中国以外の競争当局が承認し、中国の承認を待つのみという状況になった後、米中の貿易摩擦が深刻化。4月に中国当局が承認にあたっての追加是正措置を要求し、クアルコムが買収完了予定日を延期するなど、進展が見られない状況となっています。買収される側であるNXPセミコンダクターズの株価は貿易摩擦が浮上して以降、軟調に推移しています。もし中国からの承認が得られず、破談になり、今後、ほかにも似たような案件が出てくると株価を支える一因であったM&Aの動きが年後半に停滞する可能性もあるとみています。
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