野村の予想では縮小額が200億ドルを超えるのは10月31日の週、11月21日の週となっています。再度市場が動揺しやすくなる可能性があり注目しています

2018年8月21日(火)Ｎｅｗｓモーニングサテライト

野村グループ　草田裕紀さん

ＦＲＢは満期を迎え、償還された現金を再投資しないことで、バランスシートを縮小してきました。去年10月に縮小を始めてから間もなく1年となりますが、再投資しない金額を段階的に拡大しており、縮小のペースは徐々に加速しています。そして、今年10月以降、量的緩和縮小のピーク期に入ることになります。

週ごとの株式市場のリターンとＦＲＢのバランスシートの変化を比較すると、例えば、1月最終週のバランスシート縮小額が200億ドルを超えています。その1週間後、株式市場は今年最大の下落となりました。また、直近では8月1日に縮小額が200億ドルを超えています。アメリカ株には特に影響は見られませんでしたが、アメリカとトルコの関係悪化という要因があったとはいえ、新興国を中心に株価が調整したことはバランスシート縮小とは無縁ではないと思います。

バランスシート縮小が常に市場の動揺につながるとは断定できないが、縮小額が大きくなるであろう週は警戒すべきと考えます。野村の予想では縮小額が200億ドルを超えるのは10月31日の週、11月21日の週となっています。再度市場が動揺しやすくなる可能性があり注目しています。