開示の頻度は減らさず、投資家への情報量は維持しつつ、四半期ごとの業績ガイダンスを廃止するという見直しに落ち着く可能性はあると考えています
2018年8月30日(木)Newsモーニングサテライト
野村グループ 田部井智春さん
決算が四半期ごとにあるがために投資家が短期志向になり、企業もそうした投資家に迎合するあまり経営姿勢が短期的にあっているという批判があり、半期開示への変更を求める声があります。しかし、開示頻度を減らすことが企業経営に過度な短期化に有効ではないことを示す調査結果も出ています。
イギリスでは2014年に短期開示の義務が撤廃されました。しかし、四半期開示を取りやめた企業が取りやめ以降に設備投資や研究開発費などを増やし、長期的な姿勢で投資を行ったことを示す結果は得られず、四半期開示を続けた企業との間でも優位な差は見られませんでした。
6月にJPモルガン・チェースのダイモンCEOと著名投資家ウォーレン・バフェット氏は四半期ベースでの業績ガイダンス、つまり予想を開示することが企業経営の短期志向を助長しているのでやめるべきと全上場企業に呼び掛けています。開示の頻度は減らさず、投資家への情報量は維持しつつ、四半期ごとの業績ガイダンスを廃止するという見直しに落ち着く可能性はあると考えています。
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