今回のアマゾンに代表される、これまで賃金が抑えられていた層における賃金の引き上げの動きが賃金全体の伸びを加速させる可能性はあり、注意が必要であると考えています
2018年10月5日(金)Newsモーニングサテライト
米国みずほ証券 兼松渉さん
最近はアマゾンの物流、倉庫で働く従業員の賃金が安すぎるといった批判が高まっていたうえ、年末商戦に向けて小売り、輸送各社が人材の確保を急いでいることからアマゾンとしても年末商戦を乗り切るために早く決着をつけておきたかったのではと考えています。
アマゾンの賃金で同業他社にも同じ圧力がかかることが予想されます。こういった賃金の上昇が企業業績に与える影響が気になっています。経営陣レベルの従業員など高所得者層を除いた平均受給の上昇率の推移に景気後退期を重ねると、歴史的に見て、上昇率が前年比4%増に接近すると企業の利益率が大きく圧迫され、その後、景気後退期が訪れる傾向にあります。もっとも8月の数字は2.8%増と4%という水準までにはまだ少々の距離が残されています。
今後、賃金が急上昇する可能性は低いと考えています。業務のシステム化や自動化などが賃金の伸びを抑制するというのがひとつの見方です。ただ一方で、今回のアマゾンに代表される、これまで賃金が抑えられていた層における賃金の引き上げの動きが賃金全体の伸びを加速させる可能性はあり、注意が必要であると考えています。
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