インフレと貿易摩擦という問題は今のマーケットが最も気にしている点ともいえ、他の企業決算にも同様な影響が拡大するのか、注目されることになりそうです
2018年10月10日(水)Newsモーニングサテライト
マキシム・グループ 久野誠太郎さん
先週末時点でのS&P500社の利益成長率見通しは19.2%増となっており、今年に入って3四半期連続の大幅増益が見込まれています。年初からの増益ペースは鈍るものの、堅調な企業利益が見込まれており、このところ軟調なマーケットでは相場反転のきっかけとなることが期待されています。
業種別では全11業種すべてが増益見通しの中、7業種で二ケタ増益が見込まれ、さらにエネルギー、金融、素材が主導する形となっています。エネルギーは原油価格が今年の第3四半期の平均がおよそ70ドルと1年前から44%上昇していることが追い風です。金融は昨年の大型ハリケーンの影響からの反動で、保険が158%増益となっていますけれども、保険を除いても20%を超える増益予想です。そして、素材が26.8%の増益予想となっています。
塗料など特殊化学品を手掛けるPPGインダストリーズが昨日、業績警告を発表し、株価が本日、10%安となりました。樹脂や原油などの原料価格と物流費用の増加が利益を圧迫するほか、中国での需要減速などを要因に挙げています。ここに象徴されるインフレと貿易摩擦という問題は今のマーケットが最も気にしている点ともいえ、他の企業決算にも同様な影響が拡大するのか、注目されることになりそうです。
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