トランプ政権や共和党による薬価の引き下げはPBMが製薬会社との価格交渉の結果得られる資金の一部を消費者に還元することを意図しており、PBMや保険会社にとって必ずしもプラスとは言えません
2018年10月24日(水)Newsモーニングサテライト
岡三証券NY 𠮷田拡司さん
薬剤給付管理会社はPBMと呼ばれ、保険会社と製薬会社の間に入って、患者にとって効果的で経済的な医薬品の推奨リストを作成し、製薬会社と薬の価格を交渉するという立場です。PBMが製薬会社から薬をできるだけ安く買い、薬局を通じて患者に届く際の価格が下がれば、結果的に保険会社の負担も減るという関係です。製薬会社としては自社の薬が保険適用を受けて、幅広く流通するためにPBMのリストに載せてもらうことが重要で、価格を下げるインセンティブになっています。ここで出てきた3者のうち、PBMと保険会社が統合するというのが最近の動きで、司法省からエクスプレス・スクリプツとシグナ、CVSヘルスとエトナの統合が承認されました。
コストの削減が一番のメリットです。PBMと保険会社の間にあった医薬品の推奨リストを提供し、手数料を受け取るといったプロセスがなくなり、運営コストを削減できます。また、規模拡大のメリットを通して製薬会社に対する交渉力が一層強まると想定され、保険会社にとってのコストである薬価が下がることになる可能性があります。
トランプ政権や共和党による薬価の引き下げはPBMが製薬会社との価格交渉の結果得られる資金の一部を消費者に還元することを意図しており、PBMや保険会社にとって必ずしもプラスとは言えません。薬価の動向という点でも中間選挙に注目しています。
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