今回は事前に予想が下がっていた企業が決算発表後に思っていたほど悪くなかったという解釈から株価が上昇するパターンが多くみられており、今後の小売り決算で同様のパターンが続く可能性があるとみています
2019年2月5日(火)Newsモーニングサテライト
大和証券CMアメリカ 森本裕貴さん
S&P500は2700台という非常に重要な節目に差し掛かっているからです。まずこの水準には中期と長期の株価トレンドを示す100日線と200日線が位置しています。さらに昨年9月の最高値と12月の直近安値を結び、ヒボナッチ数列に基づいて61.8%に当たる水準に戻り線を引くと、2713となります。この水準を上抜くことは明確なトレンド転換を意味するため、重要な節目といえます。
2016年の大統領選後の出来高を価格帯別に累積していくと2700から2750は最も出来高が多いゾーンです。昨年12月、株価はこのゾーンを下抜けてから一気に売りが加速しています。逆に言えば、この水準を上に抜けてしまえば、強い下値支持の役割を果たしてくれると考えます。
決算発表を材料に突破すると考えます。S&P500企業の中で最も多く決算が残っているセクターは一般消費財、すなわち小売りです。その小売りはここまでの決算で、売り上げ、利益ともに予想を上回るサプライズ率が高かったのですが、これは貿易摩擦などを理由とした消費者マインドの低下を警戒し、小売企業の業績見通しが下がっていたためです。今回は事前に予想が下がっていた企業が決算発表後に思っていたほど悪くなかったという解釈から株価が上昇するパターンが多くみられており、今後の小売り決算で同様のパターンが続く可能性があるとみています。
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