今回の経済制裁はベネズエラに対する懲罰的な意味にとどまらず、アメリカの石油産業を守る形ともなっていて、結果的に保護主義的なトランプ政権の政策目的にも合致するといえます
2019年2月14日(木)Newsモーニングサテライト
三井住友アセットマネジメントNY 曽根良太さん
原油価格への反応はこれまでのところ限定的です。というのも、アメリカにとってベネズエラは第4位の原油供給元ですが、原油の種類がカナダ産やメキシコ産に近く、代替が効くとみられています。また、ベネズエラから輸入した原油のおよそ40%はベネズエラの国営石油会社が保有する製油所で製品化されるため、アメリカの石油会社への影響も限定的と見られているようです。
ベネズエラは埋蔵量では世界シェア18%とトップですが、政策の失敗が続き、生産量で埋蔵量世界2位のサウジアラビアのおよそ10分の1に低迷しています。ベネズエラが眠れる獅子なのか、眠り続ける獅子なのか意見が分かれるところです。
眠り続ける獅子であってほしいと考えていると思います。ベネズエラの石油業界に外国の石油会社が本格参入して技術開発して増産してしまうと、世界最大の産油国であるアメリカにとっての脅威となります。今回の経済制裁はベネズエラに対する懲罰的な意味にとどまらず、アメリカの石油産業を守る形ともなっていて、結果的に保護主義的なトランプ政権の政策目的にも合致するといえます。
« STOはアメリカのSEC、証券取引委員会の姿勢に準拠し、信頼という点でもICOとは一線を画していて、新たな資金調達手段として注目されています | トップページ | 来週はバルセロナで開催される毎年恒例のモバイル・ワールド・コングレスで5Gネットワーク対応のスマートフォンの発表などが予想されています。市場の期待はさらに高まりそうです »
「Newsモーニングサテライト」カテゴリの記事
- アルコール飲料に新たな動き(2022.10.07)
- アメリカ小売決算の注目点は?(2022.10.06)
- アメリカ株価上昇の背景は?(2022.10.05)
- アメリカ中間選挙 市場の影響は(2022.10.04)
- アメリカ金融大手 決算見通し(2022.09.30)
この記事へのコメントは終了しました。
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 今回の経済制裁はベネズエラに対する懲罰的な意味にとどまらず、アメリカの石油産業を守る形ともなっていて、結果的に保護主義的なトランプ政権の政策目的にも合致するといえます:
« STOはアメリカのSEC、証券取引委員会の姿勢に準拠し、信頼という点でもICOとは一線を画していて、新たな資金調達手段として注目されています | トップページ | 来週はバルセロナで開催される毎年恒例のモバイル・ワールド・コングレスで5Gネットワーク対応のスマートフォンの発表などが予想されています。市場の期待はさらに高まりそうです »
コメント