フェデックス決算を分析
2019年9月20日(金)Newsモーニングサテライト
米国みずほ証券 兼松渉さん
輸送大手のフェデックスが失望的な業績見通しを示し、決算発表の翌日の株価は13%の急落となりました。経営陣は米中貿易摩擦に伴う工業セクターの先行き不透明感を理由に挙げています。輸送セクターは経済の先行指標ともいわれ、物流サービスの最大手が慎重なスタンスを示したことは今後の景気見通し、特に今年の年末商戦を占ううえで悪材料との見方も出ています。
決算の内容を掘り下げて見て見ると、フェデックス独自の問題によるものが大きいことがわかります。買収した欧州の輸送会社との事業統合に苦戦しているほか、最近では長年の顧客であったアマゾンの配達を打ち切る方針を示したことについて懐疑的な投資家が多いとみています。さらに経営陣による辞任が目立つことも考慮すると、フェデックスに関しては貿易摩擦というよりもほかの戦略面での問題があるのでは考えられます。
実際、今回のフェデックスの決算を受けて、競合であるドイツのDHL、アメリカのUPSは貿易摩擦を背景とする広範囲な落ち込みは見られていないと反論しています。フェデックスの業績悪化は必ずしも年末に向けての景気見通しの悪化を示唆するものではないと考えています。
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