TikTok なぜオラクルに?
2020年9月15日(火)Newsモーニングサテライト
米国みずほ証券 兼松渉さん
TikTok なぜオラクルに?
難しいところなんですが、一つ言えるのはオラクルの創業者、ラリー・エリソン氏がトランプ大統領の支持者として知られている点ですね。トランプ大統領はTikTokを買収したアメリカ企業が財務省にお金を払うべきと主張していますが、こういったやや無理な要求をオラクルなら受け入れる可能性があるとされています。大統領はこれまで買収先の候補としてオラクルもよい会社と評価しており、二人の関係が交渉に影響を与えたと見方があります。一方、企業向けソフトやクラウドを得意とするオラクルにとってみれば、TikTokとの提携は個人向け、特にアメリカの若者向けビジネスの足掛かりになることが期待されます。
そもそも問題の一つはアメリカのTikTok利用者の個人情報が中国政府に流出するという点でした。この提携によって、オラクルがTikTokの米国の利用者のデータ管理を引き受けるということは理にかなっていると考えています。しかし、問題は肝心なアルゴリズムですね、この操作や管理がアメリカに移転されない可能性があるという点です。TikTokは利用者の履歴などを基に動画や広告を選定するため、それが中国側に残るのであれば、セキュリティ面で根本的な解決にはならない可能性があります。また、トランプ政権のこういった強硬な姿勢は中国政府によるアメリカ企業への強制的な技術移転をほうふつさせる面もあり、フェアな動きではないと考えています。
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