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8月のアメリカ株市場を分析

2020年9月1日(火)Newsモーニングサテライト

野村グループ 田部井智春さん

8月のアメリカ株市場を分析
S&P500指数は8月に約7%上昇し、夏枯れ相場ともいわれる8月としては実に1986年以来の大きな上昇となりました。FRBの金融緩和策という後ろ盾に加えて、一部経済指標の改善や4-6月期決算がおおむね良好だったことが市場心理を押し上げたほか、新型コロナの感染拡大ペースの鈍化などネガティブ材料が勢いを弱めたことも支えとなりました。年初から好調だった情報技術や一般消費財、通信セクターが上昇トレンドを維持したことに加えて、資本財や素材、金融など景気敏感セクターへ資金が流入したことが指数を押し上げています。
追加の経済対策をめぐっては与野党が掲げる対策規模に大きな隔たりがあるほか、経済指標が改善する中で、以前のような緊急性が議会からあまり感じられない印象があります。また、大統領選が本格化する中で、与野党が歩み寄ることがますます難しくなっていることも考えられます。失業率の高止まりが続く中で、9月の休会明け以降も議論が依然平行線をたどる場合、市場の上昇トレンドに冷や水を浴びせる可能性があると考えています。政府の対応が遅いとみたヘッジファンド等が売りを膨らませるなどして、催促相場になりうる点にも注意が必要とみっています。

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