FOMCを分析
2021年1月28日(木)Newsモーニングサテライト
大和証券CMアメリカ 森本裕貴さん
FOMCを分析
声明文では今後の景気に与える要素としてワクチンの普及を挙げ、コロナによる景気への影響が及ぶ期間として従来は中期的としていた文言を削除しました。ワクチンの効果への自信を示すことで今回、わずかに下方修正した足元の景気認識とのバランスを取った形です。そして、FOMCは資産購入継続の目途として雇用最大化と物価安定化で著しい進展があるまでという姿勢を示していますが、パウエル議長の記者会見では進展までには時間がかかるとの言及がありました。年内の資産購入縮小の可能性は遠のいたといえそうです。
資産バブルへの言及がなかったことが一因だと考えます。足元では個人投資家が小型株を投機的に売買する動きが広がっています。家庭用ゲーム関連の小売りチェーン、ゲームストップや映画館チェーンのAMCの株価がわずか数日で何倍にも上昇。空売りで参戦した投資家が巨額の損失を被るなど市場の需給にゆがみが生まれています。FRBの金融緩和がこの状況の遠因ですから、パウエル議長が何かコメントするかが注目されました。しかし、パウエル議長はこの状況に関する記者の質問への回答を拒否し、それ以外の資産価格の上昇についても金融政策が主因ではないとの見方を示しました。結果、逆に市場のボラティリティが高まり、VIX指数は一時30を超え、株式市場の大きく下落しました。短期的には荒れた動きが予想されますが、IT主力企業の決算発表が進めば。好決算を発表した企業に投資資金が流れることが予想されるため、徐々に落ち着きを取り戻すと考えています。
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