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アメリカ FOMC分析

2021年3月18日(木)Newsモーニングサテライト

大和証券CMアメリカ 森本裕貴さん

アメリカ FOMC分析
景気が回復する中、量的緩和縮小への道筋を整えつつ、市場の行き過ぎた利上げ観測を抑え込むことに成功しました。タカ派とハト派、双方のスタンスがバランスよく盛り込まれた内容だったと思います。まず、足元の市場は来年から量的緩和の縮小が始まると予想しており、そのヒントとしてFOMCメンバーが示す今年のGDP見通しに注目していました。結果はプラス6.5%で、市場が目安としていた6%を大幅に上回りました。一方で、政策金利の見通しでは2023年末においてもゼロ金利が維持されるとの見方が示され、23年後半から利上げが始まると見込んでいた市場よりもハト派的な内容でした。23年末のインフレ予想をわずかな上昇修正にとどめたことで、足元の物価上昇が一時的であるというメッセージを市場に送ったことになります。
パウエル議長はまだ量的緩和の縮小を検討する時期ではないと述べ、先々の見通しで動くのではなく、景気回復がさらに進展した実績が必要と強調しました。足元の一時的な物価上昇は利上げの根拠にはならないとも発言し、会見で緩和スタンスを強調することで、FOMCメンバーによる経済見通しの上方修正がさらに金利上昇を呼ばないと予防線を張ったとみられます。今回のFOMCは去年12月の会合の時から金利水準が市場の景気認識と劇的に変化している中で迎えたため、市場とのコミュニケーションが極めて重要でしたが、うまく乗り切ったといえそうです。

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