鉱工業生産 低迷の理由

2021年4月21日（水)Ｎｅｗｓモーニングサテライト

大和証券ＣＭアメリカ　森本裕貴さん

鉱工業生産　低迷の理由
鉱工業生産の停滞です。先日発表された3月の鉱工業生産は2年前、2019年3月の実績を3.7％下回っています。2年前との比較ではコロナ後に一度もプラスになっておらず、既に2019年の水準を大幅に上回っている小売売上高との違いが明白です。足元で半導体不足に伴う自動車の生産調整が強まったことや原材料コストの上昇、労働力不足などが鉱工業生産の重石になっています。1日に発表された3月のＩＳＭ製造業景気指数においても、入荷遅延の項目がおよそ47年ぶり高水準に悪化しており、経済正常化に伴う需要の急増に対して供給が追いついていない状況が鮮明となっています。また、消費の拡大で貨物が急増しています。コンテナ不足や港湾の大混雑といった問題も発生しており、サプライチェーンの混乱には今後も目配せが必要だと思っています。
まずシンプルに現在ボトルネックになっている半導体生産やコンテナ、物流を担う企業にとっては追い風だと思います。半導体受託生産世界最大手のＴＳＭＣ、さらに半導体製造装置メーカー、トラックでの貨物輸送に特化したオールド・ドミニオン・フレイト・ラインなどが合致します。もう一つサプライチェーンの管理に役立つソフトウェアを提供している企業にとっても勝機が広がる可能性があります。業界大手ではＳＡＰやオラクル、専業ではクーパソフトウェアやデカルトシステムズなどに注目です。